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双六へ ~おまけ~

2日間の山行で4日分も記事を引っ張っているが(笑)、双六山行ネタは今回で最終回。
初めて残雪期に登ってみたところ、北アルプスの地形的な特徴がどのようにしてつくられてきたのか、その現場を目の当たりにすることができたので、ここでご紹介したい。
地形的な特徴とは、「非対称山稜」と「二重山稜」(または舟窪地形)である。

まずは、「非対称山稜」から。

南北に延びる北アルプスの主稜線は、西側(主に岐阜県または富山県側)はなだらかだが、東側(主に長野県側)は稜線から急に落ち込んでいることが一般的である。このように東と西で非対称となる原因は、冬場の降雪と季節風にあると言われている。日本海の湿った空気は北アルプスの山岳地にぶつかって大雪を降らせるが、稜線に積もった雪は北西側から吹き付ける季節風によって吹き飛ばされ、稜線を越えた東側に多く積もる。そして、雪の重みで東側の斜面はだんだん削られ、非対称山稜ができあがった。

今回の山行では、西側斜面は雪が少ないのに、東側斜面に残雪が多い様子を目の当たりにした。下の写真は、大ノマ乗越から大ノマ岳にかけての稜線である。写真の右側が西、左側が東になる。東側は急峻で、残雪が多い。稜線には雪が積もったり吹き飛ばされたりを繰り返してできた雪の庇(ひさし)、雪庇(せっぴ)も見える。これもまた、季節風が強い証拠である。

P6193027.jpg
E-1 /ZUIKO Digital 14-54/2.8-3.5
非対称山稜の例。右手の西側は緩斜面でハイマツが広がり、左手の東側は急峻で残雪が多い。

次に「二重山稜」。

稜線上で、ところどころ稜線が2本平行しているような地形となっている場所がある。特に蝶ヶ岳や爺ヶ岳のものが有名だ。以前は断層が原因と言われたこともあるようだが、現在では非対称山稜と同様に冬季の積雪によるとの考え方が一般的になってきている。
そして、非対称山稜と同じく、東側にややずり落ちたような形が多い。東側斜面に積もった雪が稜線の地形を崩し、そして雪解けを繰り返すことにより、「舟窪地形」とも呼ばれる舟の底のような地形をつくっている。

下の写真は、樅沢岳から槍ヶ岳へ連なる稜線上にある小ピーク。舟窪地形に残雪が残り、二重山稜がなぜできたのか、たいへんわかりやすい例と思われた。

P6182786.jpg
E-1 /ZUIKO Digital 14-54/2.8-3.5
二重山稜の例。窪みに雪がたまり、遅くまで残る。

今回稜線上を歩いてみて、ところどころで稜線と同じ方向に走る地割れを目撃した。下の写真がそれであるが、雪の重みで地形が引っ張られ、地割れとなっているようだ。やがて崩壊し、非対称山稜や舟窪地形をつくることになるのだろう。登山道を走る地割れも、夏までには登山者に踏み固められたり、降雨による流水で埋められたりして見えなくなるのだろうが、この時期はとても顕著に見られた。

P6193029.jpg
E-1 /ZUIKO Digital 14-54/2.8-3.5
登山道に沿って現れた地割れ。雪に引っ張られるように斜面が動く。


山の地形の変化はゆっくりとしたものだと思っていたが、実はかなりダイナミックに変化していることを、今回歩いてみて初めて知った。
[Mt. Sugoroku, HIDA, on June 18-19, 2008]

| 山行 | 22:16 | コメント:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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分かり易い解説

地形(稜線を挟んだ東西の違い、二重山稜)の存在は承知していましたが、形成過程は造山活動が収束してからの雨による浸食かと思っていました。
尤も、解説書を読んだわけでは無いので。。(笑
冬の季節風と降雪とは知りませんでした。
雪の重みで地割れができているのも意外ですw

二重山稜といえば、去年歩いた上河内岳(聖岳の南方)も聖平から辿ると見事な舟窪地形だったのを思い出します。
その舟窪は高山植物の宝庫ですが、ご多分に漏れずニホンシカの食害に晒されているようで。。。

今回の入山目的は地形調査と関係あるんですか?(笑

| こば | 2008/06/25 11:24 | URL | ≫ EDIT

>こばさん
雪と風が地形をつくるというのは、にわかには信じがたいですよね。夏しか登らない私もそう思っていたのですが、今回残雪の多い時期に登ってみて、ほぉ~なるほどと思いました。
地割れ、写真の場所は小さめでしたが、結構あちらこちらにあり、数十mにおよぶ長いものもありました。今年はずいぶん崩壊が起きているのだなぁと思ったら、ガイドさんによるとこの時期はあちらこちらで見られるとのこと。
今回地形の話が多かったのは、山の自然全般に詳しいガイドさんに案内してもらったからです(受け売り?)。
今回の仕事とは、あまり関係がありません(仕事は国有林の関係の調査でした)。

そうでしたね…こばさん、南に行かれたのでしたね~。
聖平から上河内岳、仕事でその周辺の地図を作ったことがありますが、自分の足ではまだ。いずれ行ってみたいものです。

| itadori | 2008/06/25 23:30 | URL | ≫ EDIT















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